2019年10月に制作した「布袋和尚」(写真は筆者提供)

2019年10月に制作した「布袋和尚」(写真は筆者提供)

松村智麿(まつむら・ともまろ) 1963年、大阪府生まれ。大阪府の摂南大学卒業。19歳の時に、京仏師、松久朋琳氏の講演会を聴いたのがきっかけで、仏像彫刻の道へ。以来35年、仏像彫刻に精進し、仏教美術展などに作品を出品してきた。生長の家相愛会兵庫教区連合会事務局員。生長の家地方講師。

松村智麿(まつむら・ともまろ)
1963年、大阪府生まれ。大阪府の摂南大学卒業。19歳の時に、京仏師、松久朋琳氏の講演会を聴いたのがきっかけで、仏像彫刻の道へ。以来35年、仏像彫刻に精進し、仏教美術展などに作品を出品してきた。生長の家相愛会兵庫教区連合会事務局員。生長の家地方講師。

 布袋和尚(ほていおしょう)は、「和尚」の字を見て分かるように、七福神の中で唯一実在した中国出身の仏である。住居は持たず、家財道具一式を背中の大きな袋に入れ、全国を行脚(あんぎゃ)して仏の教えを広めたといわれる。

 見た感じは着飾っていないため、如来様や観音様のような有り難さが感じられない。が、お像全体がふくよかで、屈託のない笑みを浮かべていることから子どもに慕われ、中国では、「子育ての仏」として信仰されている地域もあるという。

 今から約30年も前、この布袋さんについて、師に「仏の教えを説いて行脚するのはいいけれど、寛(くつろ)ぐ家もなく、休息するのは地べたで寝てというのは、随分と苦労してはる仏さんなんですねぇ」と尋ねたことがある。すると師は、「家を持たへんことは、年中外にいて、四季の移り変わりや、自然の恵みの有り難さをよう感じてはるってことや。そういう自然の有り難みを感じる生き方に憧れる」と言った。

 またさらに、「自然に任せていると、時に不自由さを感じたりすることがあったりするもんやけど、それは、人間が普段の生活において便利さにかまけ、自然の有り難さを忘れている時に感じるものなんや」とも言われた。

 2年間連載してきた「仏を彫り出す」も、この布袋和尚で最終回を迎えた。今回は、師の言葉を思い出しながら、感慨一入の思いで布袋和尚を彫り参らせていただいた。

 2年前、編集部からこの話をもらった時は、やり遂げる自信がなかった。しかしいざ始めてみると、行く所々で多くの方々から温かいご声援をいただき、そのお陰で無事、終えることができた。読者の皆さまには、感謝の思いしかない。

 本欄に掲載したお像や文章を通して、仏像彫刻に興味を持たれた方は、ぜひ実践していただきたい。私の勤める生長の家兵庫県教化部(*)にご連絡いただければ、多くの皆さまが自らの内に宿る仏を彫り出す、そのお手伝いをさせていただきたいと思っている。

 私自身も、これからまだまだ彫り参らせる仏様がお待ちだと思うので、楽しみながら仏像彫刻を続けていきたい。感謝合掌。

*=生長の家の布教・伝道の拠点