「モノを所有する時には、しっかりと最後まで責任を持ちたいですね」(写真は筆者提供)

「モノを所有する時には、しっかりと最後まで責任を持ちたいですね」(写真は筆者提供)

岩島啓太(いわしま・けいた) 1979年、東京都生まれ。東京・日野市でロードバイクプロショップを経営する傍ら、日本、世界で開かれるロードバイクレースに参加。自転車専門誌に寄稿し、生長の家のSNI自転車部との関わりも深い。

岩島啓太(いわしま・けいた)
1979年、東京都生まれ。東京・日野市でロードバイクプロショップを経営する傍ら、日本、世界で開かれるロードバイクレースに参加。自転車専門誌に寄稿し、生長の家のSNI自転車部との関わりも深い。

「自転車はエコ」という話をよく聞きます。今まで私も、本欄で自転車の良いところを勧めてきました。しかし実は、「エコで環境に優しい」と手放しでは言い切れないのです。

「えっ、どういうこと?」と思われる方が多いかもしれませんが、ぜひ、最後までこのコラムに目を通していただきたいと思います。

 日本特有の乗り物に、ママチャリがあります。1万円ほどの価格で手軽な機動性を得られる、とても便利な道具です。しかしその安さゆえに、使い捨て感覚で、すぐに廃棄してしまう人が多く見受けられます。

 駐輪場や駅前には、不法投棄された自転車が山積みとなっていて、見るも無残です。その結果、捨てられた大量の自転車が環境に大きな負荷を与えることになるのです。

 逆に、高級なロードバイクはどうでしょう。ロードバイクには、カーボンが多く使われています。このカーボン複合材は、機能的には優れた部材である一方、廃棄方法がまだはっきりと決まっていないのです。

 近年、リサイクルの技術が徐々に進みつつありますが、プラスチックゴミのリサイクルのように、具体的な仕組みが出来上がっているわけではありません。一部の自転車メーカーでは、自転車が廃棄され、ゴミになるところまで想定して使う部品等を設計しているものの、多くのメーカーはそこまで配慮していないのが実状です。

 自転車は、結局作る人、使う人のモラル次第で、健康にも環境にも良い、素晴らしい乗り物になりますし、はたまた、地球を汚すゴミにもなりえるのです。残念ながら現状においては、自転車を廃棄する際の対策については、ほぼ個人任せで、行政にいい仕組みがあるわけではありません。

 便利になった今だからこそ、一歩立ち止まって消費を見直し、モノを粗末にしない文化を大切にしたいものです。そして、作り手の顔が見え、愛着をもって使える道具を選んで、大切に使いたいものです。これは自転車に限らず、何においても覚えておきたい心がけですね。

 誕生して200年、自転車のこれからの可能性に大きな期待をしています。