杉浦貴弥子(すぎうら・きみこ)さん│60歳│愛知県半田市 紅葉したブルーベリーの枝を活ける。「花の一つ一つ、枝の一本一本が重ならないように、それぞれが美しく見えるよう活けていきます」 取材/久門遥香(本誌) 写真/堀 隆弘

杉浦貴弥子(すぎうら・きみこ)さん│60歳│愛知県半田市
紅葉したブルーベリーの枝を活ける。「花の一つ一つ、枝の一本一本が重ならないように、それぞれが美しく見えるよう活けていきます」
取材/久門遥香(本誌) 写真/堀 隆弘

 昨年(2019)11月、名古屋市内の白鳥庭園の中につくられた茶室「清羽亭」の一室で、杉浦貴弥子さん(花号・慶弥)の生け花の個展が開かれた。「実りの秋」をテーマに、紅葉したブルーベリーの葉や色とりどりの菊、赤い実をつけたサンシュユなど旬の花々を使った作品が並び、来場者の目を楽しませていた。

「実は、個展を開くのは今回が初めてで、ちょっと緊張しています(笑)。見ていただいた方に、秋の雰囲気を感じてもらえたら嬉しいですね」

花を活ける剣山と籠。籠や陶器など、器によっても生け花の雰囲気が変わる

花を活ける剣山と籠。籠や陶器など、器によっても生け花の雰囲気が変わる

 使われている花材の中には、花の付き方や枝ぶりが整っていないものもあるが、それぞれの個性を生かすのが杉浦さんの生け花の特徴だ。

「自分の意に沿わせようとするのではなく、自然の中で咲いているような、生き生きとした姿を引き出してあげたいという気持ちで活けています」

 生け花は、18歳から始めた。京都で生まれ育った杉浦さんは、日本の伝統文化を学びたいとの思いで、実家の近くにあった桑原専慶流の生け花教室に通うようになり、8年後の昭和60年、26歳で師範の資格を取得。その数年後には自ら教室を開き、現在は十数人の生徒を指導している。

「人に教える時には、たくさん褒めて、まず、生け花の楽しさを知ってもらうことを第一にしています。私自身も長く続けてこられたのは、やっぱり楽しいからですね」

「花材を決めた時に、こんな感じで活けようというイメージが浮かぶんですよ」

「花材を決めた時に、こんな感じで活けようというイメージが浮かぶんですよ」

 生長の家の「人間・神の子」の教えに触れたのは小学4年生の時で、父親に勧められて小学生練成会(*1)に参加したのがきっかけだった。

「子どもの頃は、人と話すことが苦手で引っ込み思案な性格でしたが、練成会では、どんな小さなことでも讃嘆してもらえたので、だんだん『自分も素晴らしい神の子なんだ』と自信が持てるようになりました」

 その後、青年会(*2)に入って地元教区の女子部長も務めた。生長の家の信仰に理解のある夫と二人で暮らす杉浦さんは、現在も白鳩会(*3)で活動を続けている。

「どんな花にも、一番綺麗な部分が必ずありますから、それを見つけることが大事なんです。以前、習っていた先生に『生け花をしていると、人の良いところばかりを見る習慣がつく』と言われたことがありました。人や物事の明るい面を見る生長の家の教えとの繋がりを感じます」

 花に触れることで、いのちの大切さを教えられていると語る杉浦さんは、会場に飾った作品のひとつひとつを慈しむように眺めた。

*1=合宿形式で生長の家の教えを学び、実践するつどい
*2=12歳以上40歳未満の生長の家の青年男女の組織
*3=生長の家の女性の組織