「なごみ農園」は、静岡県富士宮市の自然豊かな富士山麓で、農薬、除草剤、化学肥料を使用しない自然栽培によって、年間200品種ほどの米、野菜、穀物を栽培し、レストランなどに卸している他、希望者に宅配している。2017年から全ての畑を、有機肥料も堆肥も入れずに作物を育てる方式にするなど、「自然と闘わず、仲良くする農業」を行っている。

なごみ農園 │静岡県富士宮市

なごみ農園 │静岡県富士宮市

「なごみ農園」では、2.5ヘクタールの農場で、米、小麦や大麦、大豆などの穀物をはじめ、キュウリ、カボチャ、ナス、トマト、ゴボウ、玉ネギなど約40種類の野菜、全部合わせて約200種類の作物を、全て無肥料で育てている。

 中でも野菜は、「歯ごたえが抜群」「風味がいい」「酸味と甘みがちょうどいい」「本来の味がする」と好評で、東京や静岡、神奈川などのレストランからの注文も多い上、一般の購入者からも好評を得ている。

上:みずみずしいカボチャ、ナスなどの野菜。どれも野菜本来の味がすると評判だ/下:自家採種した種は、月の満ち欠けに合わせて蒔くという

上:みずみずしいカボチャ、ナスなどの野菜。どれも野菜本来の味がすると評判だ/下:自家採種した種は、月の満ち欠けに合わせて蒔くという

 そうした野菜のおいしさの理由は、農薬、化学肥料を使わない自然栽培にあるのはもちろん、種にもこだわっているところにある。使っているのは、親から子、子から孫へと代々同じ形質が受け継がれている「固定種」と呼ばれるもので、しかもできるだけ自家採種している。

 同農園の代表者である宮田雅和さんは語る。

「現在、一般的な農家で使われている種は、発芽や生育がいいF1(一代交配種)が主流ですが、本来は、それぞれの風土に適し、その地方で長年栽培されてきた固定種を使うのが一番いいわけです。栽培した作物から種を採り、その種からまた育てる農業が当たり前になる日がくるのを夢見て、頑張っています」

「安心で安全な作物を自分で作りたい」と、宮田さんがシステムプログラマーから農業に身を転じたのは、1999年のこと。転身にあたり、2年にわたってある農業法人で研修を受けた際、農薬を使った農業の危険性を痛感し、それから有機農業、自然栽培について学び直して、2001年になごみ農園を設立した。

 宮田さんは、システムプログラマーと農業には通じるものがあると、これからの抱負についてこう語る。

「育てた野菜の発育が悪かったりすると、あらゆる方法を試して解決していくというのは、プログラムのエラーが出たときの対処とまったく同じなんです。これからも、そうした経験を生かしながら、“おかげさま”という気持ちをもって、自然と闘わない、自然と仲良くする農業を続けていきたいと思っています」

問い合わせ先
〒418-0047 静岡県富士宮市青木418-5 TEL・FAX/0544-22-4801