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 今回は、熊本県益城町(ましきまち)にある阿蘇(あそ)くまもと空港の夕景を紹介したいと思います。

 阿蘇くまもと空港は、熊本市から東に約20キロ、標高約200メートルの場所にあり、約3,000メートルの長い滑走路が東西に走っています。そのため、滑走路の延長線上に夕日が沈む11月と1月中旬の僅かな期間、離着陸する飛行機と夕日のコラボ(共演)写真が撮れるスポットとして、カメラ愛好家の間で有名になりました。

 とはいえ、晴天でなければならない上、飛行機の発着のタイミングを計るのも難しく、まして超望遠レンズを持たない私には、とてもハードルの高い被写体です。

inoti140_issyunnodeai_2 それでも何とかいい写真を撮りたいと、一昨年1月の晴れた日、勇んで空港に出かけました。着いたのは午後3時頃でしたが、撮影にいい場所は三脚を立てた人たちで既に埋め尽くされていて、大型カメラに装着された超望遠レンズが空に向かって屹立していました。

 そんな中、気後れしながらも普通のカメラを準備して、夕日が沈むのを待ちました。この時期はとても寒く、特に空港は吹きさらしなので、防寒対策をしていても風が冷たくて体にこたえました。

 常連らしい人たちが無線で連絡を取り合い、「もうすぐ飛行機が来るぞ」と教えてくれました。すると急に皆さんがしーんと静まりかえり、その直後、飛行機のゴーッという音とシャッターの連写音だけが辺りに響き渡りました。

 まだ納得のいく写真が撮れていないので、またタイミングを合わせて再チャレンジしたいと思っています。(次号では、九州北西部にある九州最大の湾、有明海の風景を紹介します。)