三好雅則(みよし まさのり)  昭和24年生まれ。生長の家参議長。趣味は読書、絵画・音楽鑑賞、水彩画。

三好雅則(みよし まさのり) 
昭和24年生まれ。生長の家参議長。趣味は読書、絵画・音楽鑑賞、水彩画。

 標高1,000メートル余、距離8キロメートル、高低差300メートルにある蕎麦屋に自転車で向かったことがある。途中で息が切れ、筋肉疲労に襲われたが、諦めずに到着した時の達成感、幸福感は格別だった。

 肉体を使うことで生まれるこうした感情について、神経科学者のランバート教授(*1)は、ヒトの脳には、肉体的な努力によって活性化する〈努力と報酬の回路〉(*2)があり、肉体を使って生存に不可欠な子育て、掃除、調理、住居作り、農耕などを行うことで、満足感や幸福感を得るように進化してきたからだと指摘する。確かに自分で栽培した作物は、労せずして得た物より遙かに美味しい。

 ところで近年、健康長寿や脳の健康効果をもたらす要素として、知的刺激、バランスのいい食事、有酸素運動(ウォーキングやサイクリング等)、社会的繋がり、十分な睡眠が挙げられているが、興味深いのは、同じ有酸素運動でも単独で行うより、社会的繋がりの中で実施したほうがより効果的ということだ。

イラストは筆者

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 有酸素運動でセロトニン(*3)が分泌し、その継続によって海馬や前頭前野が活性化、細胞が新生して健康長寿、脳の健康に効果的なのは知られているが、他者との関わりがこれを一層促すという。

 生長の家のプロジェクト型組織(PBS)(*4)では、各地でミニイベント(サイクリング、有機野菜作り、自然素材を使ったクラフト作り等)を開いているが、身近な人を誘って参加するといい。脳と身体の健康が増進され、環境保全にも繋がるからだ。

参考文献
ケリー・ランバート著『うつは手仕事で治る』 (飛鳥新社)●ジョン J.レイティ著『脳を鍛えるには運動しかない!』(N‌H‌K出版)●ジョン・アーデン著『ブレイン・バイブル』(アルファポリス)他

*1=ケリー・ランバート。米国、ランドルフ・メイコン大学心理学部長
*2=側坐核―線条体―辺縁系
*3=脳内の神経伝達物質の一つで、ドーパミン・ノルアドレナリンを制御し、精神を安定させる
*4=自然と人間が調和した“新しい文明”構築に向けたライフスタイルの拡大を目指すもので、オーガニック菜園部、自転車部、クラフト倶楽部がある