岸田裕子(きしだ・ひろこ) 三重県出身、奈良県在住。令和元年に31歳で結婚。新しい生活にも慣れてきて、仕事と家事を楽しんでいる。2019年は庭で万願寺とうがらしを育てた。2020年はプランター菜園に挑戦。

岸田裕子(きしだ・ひろこ)
三重県出身、奈良県在住。令和元年に31歳で結婚。新しい生活にも慣れてきて、仕事と家事を楽しんでいる。2019年は庭で万願寺とうがらしを育てた。2020年はプランター菜園に挑戦。

 いよいよ年末がやってきました。

 デート当日、ドキドキしながら電車に乗って奈良に行きました。歴史を感じる街並みが残る「ならまち」を二人で歩きました。年末ということもあってか、彼がお店を色々と調べてくれたにもかかわらず、訪れたお店はほとんど閉まっていて、彼はそれを気にしていたようですが、私はそのことよりも、そこまで色々と調べてくれたことがとても嬉しく、一緒に歩けるだけで幸せでした。それに一緒にいるのが楽しすぎて、気持ちも安らぎました。

 私はあまり話したことがない人と一緒にいると、会話に困ったりすることもありましたが、彼とは自然に言葉が出てきました。何でも聞いてくれる彼の姿勢や、穏やかな話し方、雰囲気が、自然体の私を引き出してくれたのだと思います。そしてあっという間に一日が終わり、帰る時間になりました。一緒にいてこんなに楽しくて落ち着く人はそれまでいなかったので、迷惑でなければまた会いたいと思いました。

 すると彼から、「付き合いませんか? 今日一日とても楽しかったです。年齢も年齢なので結婚を前提に考えています」と言われました。

イラスト/石橋富士子

イラスト/石橋富士子

 私は驚きで固まってしまい、言葉が出てきませんでした。自分が尊敬している人、理想の人からそんなことを言ってもらえるなんて夢にも思っていなかったので、思考が停止してしまったのです。私がしばらく黙ってしまったので、彼はこの時、断られると思ったそうです。沈黙が少し続いた後、「私で良ければお願いします」と答えました。

 彼と別れた後の帰りの電車ではボーっとして、特急と急行を乗り間違えそうになるほどでした。自分にまさかこんなことが起こるなんて……。家に帰ってからや翌日も彼から連絡が来て、夢じゃないんだと思いました。

 それからは、色々な所へ連れて行ってもらいました。奈良には歴史を感じる街並みやお寺、神社がたくさんあり、自然豊かで、素敵な所だと思いました。お互い優先順位が仕事、生長の家青年会(*1)の活動、その後にデートだったので、なかなか休みが合わず、会うことができたのは少しの時間でしたが、少しでも会えるだけで嬉しく感じました。

 そして、お付き合いを始めてから、会う度に互いに手紙を交換しました。メッセージも毎日やりとりしていましたが、手紙もとても嬉しく感じました。

 ある日、デートの時に霊牌(*2)供養の話になり、彼は私の実家(竹尾家)の霊牌も毎月書いていると聞き、感動しました。幸せな結婚をするには、まず互いのご先祖様に認められ、祝福してもらうことが大切と彼に言われて、私も毎月、岸田家の霊牌供養もさせて頂くようになりました。(つづく)

*1 12歳以上40歳未満の生長の家の青年男女の組織
*2 先祖及び物故した親族・縁族の俗名を浄書し、御霊を祀る短冊状の用紙