松﨑いづみ 長崎市在住。2017年8月に36歳で結婚。夫と2人暮らし。菜園ができる広いベランダが、新居の決め手となった。今年はプランターで芋掘りを楽しみにしている。髪の毛を寄付するヘアドネーションのために髪を伸ばし中。生長の家長崎南部教区青年会員。

松﨑いづみ
長崎市在住。2017年8月に36歳で結婚。夫と2人暮らし。菜園ができる広いベランダが、新居の決め手となった。今年はプランターで芋掘りを楽しみにしている。髪の毛を寄付するヘアドネーションのために髪を伸ばし中。生長の家長崎南部教区青年会員。

 一緒に住んでいる祖母は何も言わず見守ってくれていましたが、たまに「半身(はんしん)さんと出会えるように、毎日お祈りしとるけんね」と言われました。「半身さん」とは結婚相手のことで、そう言われると感謝しながらも、「心配かけているなぁ。おばあちゃんが生きてるうちに花嫁姿を見せてあげられるのだろうか」と申し訳なくなりました。

 しかし、35歳を過ぎると、母はあれこれ言うことは少なくなり、「一番いい時に、一番いい人が現れると信じとるよ。だからいづみちゃんもそう信じて、毎日お祈りだけはしなさいね」と言って、『私はこうして祈る』(生長の家創始者・谷口雅春著、日本教文社刊)の「よき配偶者を得るには」の章にある祈りを「すばらしい魂の半身を得る祈り」として、「私」と書かれている所を全部「いづみ」に替えて、便せんに書き写して送ってくれました。

 母は以前から祈りの言葉をお気に入りの便せんに書き写して送ってくれていましたが、この祈りは自分の名前が入っていたので、祈りの言葉が初めて自分のことのように思えて、魂の半身さんはどこかにいると心から信じられるようになりました。そして、祈りの言葉のように「相互から近づいて調和して祝福された状態で結ばれる」ことにワクワク感が止まらなくなりました。

イラスト/石橋富士子

イラスト/石橋富士子

 その頃、祖母が「いづみちゃんによかと思って」と、長崎にある諏訪神社の挙式のパンフレットをもらってきてくれました。中を見ると、皇族のように十二単(ひとえ)を着て式が挙げられると書いてありました。「これだ!」と思った私は、「結婚式は諏訪神社、十二単を着る」と決めました。そして一番いいときに、一番いい人が現れると信じ、「結婚する」と決めて祈り、神様にお任せすることにしました。

 そんなある日、若い男性が「今度、長崎に戻ってきます」と教化部(*1)に挨拶に来ました。彼は生命学園(*2)の園長先生の息子さんで、就職先の熊本から生命学園の運動会に年に一度手伝いに来ていました。彼は人懐っこい笑顔に、かるーい感じで「連絡先交換してくださ〜い」と、その場にいた人たちと電話番号の交換を始めました。この光景、見たことあると思い、私たちは数年前の運動会で連絡先(LINE)を交換していたことを思い出しました。そのときは、〈彼:松﨑です!→私:スタンプ〉だけで終了し、以来やり取りはしていませんでした。

 彼は私とLINEを交換していたことが分かると「じゃあ電話番号も」と言いました。「えっ? LINEで充分じゃない?」と思いながらも、積極的に青年会に入ってきてくれる若い人なんてめったにいないと思い、電話番号を交換しました。(つづく)

*1 生長の家の布教・伝道の拠点
*2 幼児や小学児童を対象にした生長の家の学びの場
*3 12歳以上40歳未満の生長の家の青年男女の組織