岸田裕子(きしだ・ひろこ) 三重県出身、奈良県在住。令和元年に31歳で結婚。新しい生活にも慣れてきて、仕事と家事を楽しんでいる。昨年は庭で万願寺とうがらしを育てた。今年はプンター菜園に挑戦する予定。

岸田裕子(きしだ・ひろこ)
三重県出身、奈良県在住。2019年に31歳で結婚。新しい生活にも慣れてきて、仕事と家事を楽しんでいる。2019年は庭で万願寺とうがらしを育てた。2020年はプランター菜園に挑戦。

 私はコンプレックスの塊で、結婚出来ずにずっと一人で生きていくと思っていました。物心ついたときから自分に自信がなく、細かいことや人の目を気にする性格だったので、こんな自分を好きになってくれる人はいないと思っていたのです。

 友人たちは20代半ば頃から結婚ラッシュで、結婚式に出席しては、祝福の気持ちと同時に、自分に対する劣等感が深まっていきました。

 そんな時、生長の家の花のつどい(*1)で講師から、「一所懸命に生長の家の活動するのは素晴らしいけど、自分が魂の半身に出会って幸せになることで、人の幸せもより一層、祈れるんじゃない?」というようなことを言われました。

 それまでの私は仕事が大切で、信仰を深めたいし、活動も頑張りたいと思い、それ以外にたまに友人と遊ぶことはあっても、結婚を意識したことはありませんでした。このことをきっかけに、結婚出来るかは別にして、自分も結婚について考えようと思い始めました。

 数年前、奈良教区の講習会が近づいている時のこと。奈良教区青年会(*2)委員長から、講習会の案内状が私たち三重教区青年会に送られてきました。美しい字と言葉で書かれた手紙を見て、きっと素敵な人なんだろうなと思いました。

イラスト/石橋富士子

イラスト/石橋富士子

 その人に初めて会ったのは、それから数年後、奈良県教化部(*3)で行われた青年練成会(*4)でした。彼と一緒に私は司会を担当することになりました。彼との会話は行事の進行等について質問する程度でしたが、彼が素晴らしい人だと感動することが何度かありました。それは、彼が会場で黙々と準備をしていたこと、聞きやすい声と言葉で司会をしていたこと。それは、声が自然に入ってくるような、思わず集中して聞き入ってしまう司会でした。

 そして、彼がとても素晴らしい委員長だと思ったのが、練成会2日目の夜の行事でのことでした。生長の家を信仰するようになったきっかけや、なぜ青年会活動をしているのか等を一人ずつ語る時間がありました。最後に彼が発表し、「自分の存在価値を認めて頂ける場が生長の家で、自分は皆さんに今までよりさらに幸せになって頂きたいから活動をしている。まずは奈良教区の皆さんに幸せになって頂きたい」と、堂々と発表していました。

 こんな高い志を持つ委員長の下で活動できる奈良の青年会の皆さんは、何て幸せなんだろうと感動しました。ただ、この時は委員長として素晴らしい人だと思いましたが、個人的に特別な感情はありませんでした。別の教区という壁も感じていました。それと同時に、どこかに「私なんて……」という気持ちも、あったのです。  (つづく)


*1 生長の家青年会の独身女性のつどい
*2 12歳以上40歳未満の生長の家の青年男女の組織
*3 生長の家の布教・伝道の拠点
*4 合宿形式で教えを学び、実践するつどい