著者である生長の家創始者・谷口雅春師は、唯物論の貪欲な生き方を戒め、人間は神の自己実現であり、「正義一徹、純愛無限の人間を子供の時から養成する目的をもって、母と共に読んで貰いたい」と記す。これから人生を切り開いていく青年にも、ぜひお勧めしたい書である。

『子供と母の本』 谷口雅春著 日本教文社刊 1,700円+税

『子供と母の本』
谷口雅春著 日本教文社刊 1,700円+税

 初めて本書を手に取ったとき、女性向け、母親向け、教育系という印象を持った。しかし、読み進めていくうちに衝撃を受けた。この本には生長の家の真髄である「人間・神の子」の教えから日本の素晴らしさまで、著者の養成したい「人間づくり」をテーマとした真理が詰まっていたのだ。

 今年(2020年)4月、私は長年いた部署から異動となった。それまでは職場や関係先で言われた言葉を思い出しては悲嘆に暮れる生活を送っていた。平日は心が疲弊し、休日は余裕があるなら眠りたいという状態で、自分磨きに時間を割けなかった。しかし、異動と同時に新型コロナウイルスの影響で在宅勤務となり、仕事環境も時間の使い方も大きく変わった。

 127ページには次の文章がある。「“時間”というコップの中にある一滴のしずくでも無駄にしないで大切にして、あなたの持時間を大切に有効に使う者が勝利を得るのである。(中略)自分の持っている時間を一秒でも無駄に棄てるな。一分一秒が、自分の伸びる機会(チャンス)であるのだ」

 この文章に出合えたおかげで、今では勤務の傍ら、これからの自分に役立つ新たな分野の勉強も始め、毎日が充実している。性別も年齢も関係なく、誰が読んでも気づきを得られる1冊である。鬱々として人生に喜びを見い出せない方に、ぜひ読んでいただきたい。

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平﨑はる香(生長の家光明実践委員)
福井県出身、神奈川県在住。趣味は神社巡りと写真撮影。着付け教室で着物と着付けを勉強中。3月より神奈川教区青年会事務局長。