松﨑いづみ 長崎市在住。2017年8月に36歳で結婚。夫と2人暮らし。菜園ができる広いベランダが、新居の決め手となった。今年はプランターで芋掘りを楽しみにしている。髪の毛を寄付するヘアドネーションのために髪を伸ばし中。生長の家長崎南部教区青年会員。

松﨑いづみ
長崎市在住。2017年8月に36歳で結婚。夫と2人暮らし。菜園ができる広いベランダが、新居の決め手となった。今年はプランターで芋掘りを楽しみにしている。髪の毛を寄付するヘアドネーションのために髪を伸ばし中。生長の家長崎南部教区青年会員。

 小さいころから手伝いをするのが好きだった私は、料理、洗濯、買い物、掃除から祖父母の畑の手伝いまで、興味を持ったことは何でもやらせてくれた父母のおかげで、何でもできると自信満々の子でした。「いづみちゃんはいつもニコニコ、気が利くね〜、いいお嫁さんになるよ」と、小学生の頃から言われ続けてきて、自分でもそうなると信じていました。

 高校や大学に行けば自然と彼氏ができて、大人になったら自然と結婚につながるのだろうと思っていました。でも、現実は違っていました。

 美人でもないし、面白いことが言えるわけでもない、何かに秀でていたり、ブレずに自分の道を進んでいるわけでもない。嫌われることもないけど、特別に好かれることもなく、20歳になっても彼氏ができない私は、「果たして誰かの特別な存在になることができるのだろうか」と、生長の家で自分は素晴らしい存在だと教わっていても、頭の片隅にはいつもそんな疑問がありました。

 休日は外に出ないタイプだったので、大学を卒業し、就職してからも交友関係は広がりませんでした。「これはまずい、とにかく外に出よう」と決意し、友達の誘いは断らないと決めて、スノーボードや登山、音楽フェスなど、これまでは敬遠していたことも行ってみることにしました。

イラスト/石橋富士子

イラスト/石橋富士子

 また、このころから姉に誘われて生長の家青年会(*1)の行事に時々参加するようになりました。生長の家の「人間・神の子」の教えを信仰する家庭に育ち、小学生の時は青少年練成会(*2)に参加していましたが、母が昔入っていたということ以外、青年会について知りませんでした。

 最初は姉についていくだけでしたが、同年代の人たちが堂々と生長の家を信仰し、いきいきと活動している姿が輝いて見えました。そして、これまで自分や家族内で完結していた信仰を、心の中に秘めておかなくてもいいんだと思いました。同じ信仰を持った仲間がいることがうれしくて、まもなくして私は青年会に入会しました。

 一方、インドア派からアウトドア派に転向した私は、スノーボードにはまり、滑るのがどんどん楽しくなって、そこから友達も増えていきました。しかし微妙に違うノリや感覚にふと、「私は無理していないか? 心地いい場所はここではないんじゃないか?」と思い始め、なんとなくこの付き合いの中では、恋人はできないのではないかという気がしていました。そして、30歳を過ぎたころから周りが結婚、結婚とソワソワしだし、実家の母と電話で話したり会ったりするたびに、結婚の圧がかかってきました。  (つづく)

*1 12歳以上40歳未満の生長の家の青年男女の組織
*2 合宿形式で教えを学び、実践するつどい