Q 最近、友人が東京から自然の多い地方に移住し、小さいながらも自分でお店を始めました。彼によると、収入は減ったけれど、それ以上に、のんびりと自分の好きなことができることに喜びを感じているようで、「お金はそんなに大切ではない」と話しています。でも、そんな彼の生き方に羨ましさを感じる一方で、やはり収入が減ることには抵抗を感じてしまいます。自分としては、家族ができたときや、将来に備えて、むしろもっと働いて収入を増やしたいと思うのですが、お金を稼ぐことは悪いことなのでしょうか?(28歳、男性)

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A お金は生活に必要なものですが、「お金=幸せ」ではありません。

回答者 山岡聡子(やまおか・さとこ) 生長の家本部講師補 生長の家国際本部勤務。鹿児島県生まれ。最近の楽しみは庭に生えているヨモギを摘み、近所に自生している笹で挟んだヨモギ団子を作ること。

回答者
山岡聡子(やまおか・さとこ)
生長の家本部講師補
生長の家国際本部勤務。鹿児島県生まれ。最近の楽しみは庭に生えているヨモギを摘み、近所に自生している笹で挟んだヨモギ団子を作ること。

欲望を喚起する都会生活

 普通に生活していくには、税金や、家賃、そして食費、光熱費等の経費はお金で支払いをしなければなりません。お金を稼ぐのは悪いことではなく必要であると思います。

 しかし、私は自然の多い地方の暮らしを選択したあなたの友人の、「お金はそんなに大切ではない」という言葉に耳を傾けて欲しいと思います。

 今や、大都市圏に住む人口が、日本の全体の5割を超えているそうです。私もかつては東京に住んでいたのでよく分かるのですが、都会では便利である反面、次々と新しいファッションや化粧品、食品等が、巧みに宣伝され、買わなくてもよいモノまで買っていました。そうすると貯蓄どころか、常に支出が多く、狭い部屋がモノで溢れ、満足するどころか気の休まらない状態でした。

 また、都会で便利な生活を送ることは、多くのエネルギーを浪費し、温暖化問題を悪化させます。結果として「平和な世界」を求めていても、資源やエネルギー獲得のため、他の国との奪い合いが助長されてしまうのです。

お金がなくても幸福な田舎の生活

 私は、2013年に職場である生長の家国際本部が東京・原宿から山梨県北杜市に移ったことに伴い、生活が一変しました。

 初めの頃は、町には灯も少なく夜が暗いので寂しさを感じ、戸惑いました。しかし、日を重ねる毎に、豊かな自然と接し、自然のリズムにあわせた生活の楽しさや幸福感を感じるようになりました。春には山菜採り、家庭菜園で野菜の苗を植え、夏野菜を収穫して食卓を飾り、秋は栗やクルミを拾い、冬は干し柿作りなど、喜びを数え上げればきりがありません。

 また、人との繋がりも生活をさらに豊かにしてくれました。散歩をすれば、近所の方々との会話が弾みます。今、庭に植えてある花の殆どは近所の方から頂いたものです。もちろん、我が家の庭の花も差し上げます。すると、東京に住んでいた頃より消費欲求が自然と少なくなり、「お金=幸せ」、「お金=豊かさ」ではないと感じるようになりました。

 是非一度、その友人宅に訪れて、地方の暮らしの良さを体験されてみてはいかがでしょうか? その上でこれからどのようにお金を稼いで生活していくか考えてみるのも良いと思います。

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