小関光太(こせき・こうた)さん 山梨県北杜市・18歳・高校3年(取材時) 取材・撮影●長谷部匡彦(本誌)

小関光太(こせき・こうた)さん
山梨県北杜市・18歳・高校3年(取材時)
取材・撮影●長谷部匡彦(本誌)

 山梨県立韮崎高校3年の小関光太さんは、昨年(2019)7月に開催された「第43回全国高等学校総合文化祭(佐賀大会)」(略称・全国高総文祭)の自然科学部門・物理分野の研究発表で、同校の物理化学部部長としてプレゼンテーションを行った。この全国高総文祭は、都道府県代表の高校生が集い、毎年夏に各都道府県持ち回りで開催される芸術文化活動の祭典である。

水中シャボン玉(画像提供:小関さん)

水中シャボン玉(画像提供:小関さん)

 小関さんたち物理化学部の、研究発表の標題は、「水中シャボン玉の研究(その2)」。通常のシャボン玉は、シャボン液の膜の中に空気が包みこまれているが、「水中シャボン玉」はその逆で、空気の薄い膜に包まれた水の玉がシャボン水の中に浮かぶというもの。その不思議な仕組みに興味を持った小関さんは、目に見える「水中シャボン玉」の空気膜の厚さと、実際の空気膜の厚さは一致するのかという検証を行った。

「レーザー光を用いた実験などを通して、一見厚く見える空気膜は、じつは光の屈折でそう見えていただけで、実際は極めて薄いことが分かったんです。実験の計測だけでなく、自分たちで作ったシミュレーターでも測定しました」

 試行錯誤を重ねたその研究成果は高く評価され、物理部門の発表において最優秀賞を受賞した。

 その前年に行われた全国高総文祭でも、小関さんは「水中シャボン玉」ができる最適な条件などについて、先輩と一緒にプレゼンテーションを行った。その際、人前での話し方に反省点を感じ、発表の仕方の改善に取り組んだという。

「最寄り駅では、雄大な南アルプスや八ヶ岳が望めます」

「最寄り駅では、雄大な南アルプスや八ヶ岳が望めます」

「プレゼンスキルを磨かなければと思い、ICレコーダーに録音して話す練習をしたり、高校で行われた未来の科学者を育成するための「Super Science Highschool」(以下、SSH)の授業の講師の話し方を観察したりして、大勢の人の前で話す練習をしました。研究の内容だけでなく、プレゼンスキルが向上していくのが実感できました」

 このSSHでは、SDGs(持続可能な開発目標)の重要性に関する授業も受け、地球温暖化による気候変動について学んだことで、将来の目標が定まったと小関さんは話す。

「脱炭素社会が叫ばれているなかで、今の生活を続けていれば、必ず行き詰まってしまうと感じました。まずは大学に進学し、機械工学を学び、将来は機械製作を通して、社会に貢献したいと考えています」

「父は大切な時に、良いアドバイスをくれます」

「父は大切な時に、良いアドバイスをくれます」

 同じ高校の出身で、ノーベル生理学・医学賞を受賞した、大村智・北里大学特別栄誉教授に憧れているという小関さんの心の根底には、生長の家の「人間は神の子で、無限の力がある」という教えがある。

「中学生の頃、人との関係で悩みを抱えていたときに、父から、『問題が起こったように見えても、その現象の奥にある円満完全な姿や状態を想い起こして、感謝することが大切なんだよ』と言われました。人や物事に対して感謝できるようになったことで気持ちが楽になり、自分はたくさんの人に支えられていたということに気づくことができました。いつか自分も、誰かを支えられるような人間になりたいと思います」