Q 認知症となり、施設で暮らしている85歳の母は、何か気に食わないことがあると烈火のごとくに怒ります。もともと自己中心的な人でしたが、病気になって一層ひどくなりました。面会に行き、用事があるからと帰ろうとしても離してくれません。女手一つで私を育ててくれた母には感謝していますが、どう対処したらいいのか悩んでいます。(G・H、55歳、女性)

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回答者:吉柴康雄(よししば・やすお) (生長の家本部講師)

回答者:吉柴康雄(よししば・やすお)
(生長の家本部講師)

A 感謝の思いでお母さんと接しましょう

 あなたとお母さんの関係を想像し、お二人は、これまでの長い人生の中で、とても仲のよい親子だったのだろうとほほえましく思いました。

 お母さんが自己中心的な人だったということですが、言い換えると、何事にも気丈に立ち向かい、あなたを大切に守って育ててこられたのでしょう。そんなお母さんに、あなたも感謝しておられます。ならばあなたは、その感謝の思いを、年老いて、言葉や行動もままならないお母さんに返していかれてはいかがでしょうか。

 私も90歳になる認知症の父親と暮らしているので、あなたの気持ちが少しは理解できます。言ったことをすぐに忘れたり、服の脱ぎ着やトイレも大変になるなど、以前とは違う姿にとまどうこともあります。けれども、ちょっと身の回りのことをしてあげただけで、「ありがとう」と感謝されたりすると、どこが認知症なんだろうと思ったりもします。

 生長の家では、「人間は神の子で、完全円満である」と説いています。身体が衰え、表現の仕方がぎこちなくなっても、あなたのお母さんの本質は完全円満な神の子であり、あなたへの愛情も変わっていないのです。あなたを離してくれないのも、きっとあなたに素直な気持ちで愛情を表現しているからなのでしょう。

 あなたは、お母さんの完全円満な姿を観るように努め、お母さんの思いを受け止めて、感謝の思いを捧げてください。一層、お母さんの神の子の本質が現れてくるに違いありません。

 また、施設の方々に感謝し、あなたを支えてくれる周りの方々にも感謝の気持ちを忘れないでいただきたいと思います。感謝を忘れず、明るい心が保てるよう、生長の家の書籍などを読んでいただけると、なおよいと思います。

 あなたとお母さんが、さらに素晴らしい親子関係を築かれることを祈っています。

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