枝川喜美子さん 71歳・徳島県鳴門市 取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣 浴衣で布ぞうりを作る。枝川さんの手さばきに、集まった仲間たちは感心しきり

枝川喜美子さん 71歳・徳島県鳴門市
取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣
浴衣で布ぞうりを作る。枝川さんの手さばきに、集まった仲間たちは感心しきり

 鳴門(なると)市の堂浦(どうのうら)漁港近くで生まれた枝川喜美子さんは、漁港の沖合の島田島(しまだじま)に建つ阿波井(あわい)神社に特別な思いを寄せてきた。というのも、『生命の實相(*1)』第1巻で紹介されている体験談に登場する阿波井島保養院が、この神社の敷地内にあるのだ。

堂浦魚港から島田島の阿波井神社を望む。枝川さんは『生命の實相』に記されたゆかりの地に生まれた縁を、特別なものに感じてきた

堂浦魚港から島田島の阿波井神社を望む。枝川さんは『生命の實相』に記されたゆかりの地に生まれた縁を、特別なものに感じてきた

「生長の家をどこか身近に感じ、このご縁を大事にしたいと思いました」

 枝川さんにとって「人間・神の子」の教えは人生の指針。近年は環境問題の大切さも生長の家から学んできた。

「布ぞうり講座参加者募集」こんな新聞記事が目に飛び込んでくるようになったのは平成17年頃からで、鳴門市からの呼びかけもあった。

「飛騨高山へ旅行した時、かわいい布ぞうりを売っている店があり、作ってみたいと思っていた矢先でした。私は縫製工場に勤めてて、裁断した後に出る余り布で洋裁や小物作りをしていましたが、ぞうりも作れるならと参加しました。工場で余った布は、焼却処分していましたから」

古着のTシャツは、スカーフやアームカバーに生まれ変わる

古着のTシャツは、スカーフやアームカバーに生まれ変わる

 枝川さんが作る布ぞうりは、目がそろっていて編み幅が細かく、丈夫で履き心地がやわらかいと評判だ。徳島県教化部で開かれた「自然の恵みフェスタ」でも飛ぶように売れる。「作ってみたい」という仲間も増えていった。

 生長の家徳島教区(*2)では毎年、京都府宇治市で開かれる「宇治塔の島全国有名盆踊り大会」(主催/宇治市観光協会、宇治商工会議所、協賛/生長の家宇治別格本山(*3))に参加している。枝川さんたちは徳島伝統の阿波踊りを奉納するため、そろいの浴衣で踊る。数年前、その浴衣が新調された。

「以前使っていた浴衣がもったいないなあと思っていたら、周りのみなさんも同じ気持ちだったらしく、浴衣の生地で布ぞうりを作りましょうとなったんですよ」

 浴衣は分解し、35センチ幅の布の状態にして、縦に7センチ幅に切っていく。それを4つ折りにして、幅2センチほどの紐を作り、布ぞうりの材料とする。1枚の浴衣から2足のぞうりができた。

 この日、布ぞうりの仲間たちが集まった。端布(はぎれ)が見る間に布ぞうりに形を変えていく枝川さんの腕前に、嘆息がもれていた。

*1 生長の家創始者・谷口雅春著、日本教文社刊。全40巻
*2 生長の家の布教・伝道の拠点
*3 京都府宇治市にある生長の家の施設。宝蔵神社や練成道場などがある