藤井ヒロミさん 72歳・山口県 取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣 藤井さんは手作り派。壊れた傘で、エコバッグを作る他にも、陶芸、小物、しめ飾りも手作りする

藤井ヒロミさん 72歳・山口県
取材/南野ゆうり 撮影/野澤 廣
藤井さんは手作り派。壊れた傘で、エコバッグを作る他にも、陶芸、小物、しめ飾りも手作りする

「改めて見てみると、これほどとは思わなかった。すごい数字ですね」

 藤井ヒロミさんは、平成18年から付けている生長の家の「生活の記録表」から、毎年のCO2排出量を抜粋して並べてみた。その推移を見ると、平成18年は8395.68kgだったのが、一昨年(平成27年)はマイナス17439.45kgまで減ったのだ。

 CO2排出量は、電気、ガス、ガソリンなどの使用量に規定の係数を掛けて算出するもので、その値がマイナスということは、ガスやガソリンの使用量が減ると同時に、電気料金について言えば、売電料が買電料を上回っているのだ。

「太陽光発電パネルを取り付けたことと、電気自動車を購入したことが、大きく影響したと思います」と藤井さん。

 藤井家が太陽光発電パネルを設置したのは平成20年2月のこと。自宅の屋根だけでなく、その後、経営するアパート2棟の屋根にも設置し、総計約40kWもの発電容量となった。一般家庭は通常3〜4kWであり、藤井家の規模の大きさがCO2削減をぐいぐい後押ししたのだ。

上:自宅から自転車で10分の畑。玉ねぎ、ジャガイモ、大根、白菜などを育てている。「完全自給自足とは言えませんが、この畑があるから野菜はあまり買わなくですむんですよ」/下:畑で採れたイチゴなどは冷凍庫で保存している

上:自宅から自転車で10分の畑。玉ねぎ、ジャガイモ、大根、白菜などを育てている。「完全自給自足とは言えませんが、この畑があるから野菜はあまり買わなくですむんですよ」/下:畑で採れたイチゴなどは冷凍庫で保存している

「設置にはお金がかかったけれど、売電料などで得た収入がそれを帳消しにしてくれました」

 生長の家では、太陽光発電をCO2削減に貢献する設備の一つとして推奨し、教団でもメガソーラー発電所を建設して自然エネルギー拡大を進めている(*)。藤井さんは実際に自宅に設置してみると、環境問題の解決を担(にな)っているという思いを強くした。

 書き続けてきた「生活の記録表」の数字が、意味を持って藤井さんに迫ってくる。「もっと節約できないかしら」

 例えば、5台あるエアコンは、リビングダイニングの1つだけ稼働させれば十分だということが分かってきた。灯油もひと冬で1缶あれば事足りる。

「家庭菜園で野菜を作り、余った収穫物は冷凍したり、果物はジャムにしています。生ゴミは穴を掘って埋め、上からEM発酵液を振りかけ肥料にします。使わなくなった傘は、エコバッグにリメイクしたりもしますしね」

 CO2削減の実践はこれからも続く。

夫と10年間にわたって付けてきた「生活の記録表」を見返す。「平成24年に売電が買電を超えました」

夫と10年間にわたって付けてきた「生活の記録表」を見返す。「平成24年に売電が買電を超えました」

* メガソーラー発電所建設の募金を行っている