18年前、当時小学校6年生だった息子の不登校で悩んでいました。3学期に体調を崩して以来、学校を休みがちになり、朝起きれず、登校しようとすると頭痛がして、昼を過ぎると元気になるということを繰り返していました。それでも小学校の卒業式と、中学校の入学式には出席することができました。
 しかし、中学校も入学式の次の日から行けなくなり、本人に聞いても原因や理由は分からず、私は息子の将来を悲観して、何をしていても涙があふれる毎日でした。

 そんな時、知人に相談すると、生長の家の月刊誌を手渡されました。初めは読む気にならなかったのですが、「近くで誌友会*1があるから来てみませんか」と誘われて参加したのをきっかけに、読んでみようと思いました。いただいた『光の泉』*2には、不登校だった息子さんが立ち直り、結婚して幸せに暮らしているというお母さんの体験談がありました。「母親教室」*3に通ったと書いてあり、「これだ!」と思って参加しました。
*1 教えを学ぶつどい
*2 以前発行されていた生長の家の中高年男性向け月刊誌
*3 母親のための生長の家の勉強会

 母親教室では、「人間は神の子で、無限の可能性を秘めている」「神様が創造された世界の本当の姿(実相*4世界)は完全円満で、善一元(ぜんいちげん)であって、どこにも悪いものはない」「私たちが目で見て、耳で音を聞き、鼻で匂いを感じ、口で味わい、肌で感じる——そうした五官を通して捉えた世界を現象世界と言い、それは自分の心によって創り出される」など生長の家の教えを学びました。
*4 神によって創られたままの完全円満なすがた

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イラスト/せのおりか

 講師の「息子さんがどんな姿に見えていても、本当の姿は神の子で完全円満ですよ。そのままで素晴らしいんですよ」という言葉を、初めは信じ切ることはできませんでしたが、何度か参加するうちに「必ずよくなる」「すでに良い」と思えるようになりました。また、夫婦の調和が家庭円満の秘訣と教わると、黙って家族を守ってくれている夫に感謝の気持ちが湧(わ)いてきました。

 義務教育が終わった息子は、通信制高校に進み、良い先生との出会いもあって、自分で選んだ大学に進学し、家を出て一人暮らしを始めました。ところが入学したばかりの頃、「辞めたい」と電話をかけてきました。夫は息子をなだめて電話を切ると、すぐに息子のアパートに向かい、一晩泊まって息子を学校に送り出しました。以来、息子は弱音を吐くことはなくなり、私は夫の行動力と頼もしさに感動しました。息子は大学の4年間でとても逞(たくま)しくなり、様々な経験をして大学生活を楽しんだようでした。

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 その後、無事に就職して真面目に働き、任されたポジションで「神の子の無限力」を発揮しています。そして昨年入籍し、今年の4月に結婚式を挙げました。式では今まで聞いたことのないほどの大きな声で誓いの言葉を読み上げる立派な姿に、本当に良かったねと二人の門出(かどで)を祝うことができました。

 母親教室で学んだ「人間は神の子である」という教えは、義父母の介護でも活かされ、素晴らしい介護スタッフに恵まれ、家族も協力して介護することができました。義父を11年前に自宅で看取り、義母は体調を崩して入退院を繰り返し、自宅で看ることが難しくなって介護施設に入所することになりました。今は落ち着いて食欲も戻り、元気に穏やかに暮らしています。

 現在は夫婦二人の生活ですが、お互いを認め合い、支え合って生活できるのは、生長の家に出合えたからだと感謝しています。

F.M.(生長の家地方講師)
生長の家白鳩会石川教区連合会長。今年はキュウリを沢山いただき、一夜漬けをよく作った。7月に愛猫が亡くなり、チワワの兄妹を飼い始めた。