人間関係に悩んでいた大学生の彩花さんが、ある日、知り合いの生長の家の講師に、自分の悩みを相談したところ、『日時計24』を送ってもらった。それをきっかけに、二人の間でチャットがはじまった……。彩花さんの大学の友人で、生長の家の教えを学んでいる茜さんですが、なにか気になっていることがあるようです。

生長の家には「日時計主義」という教えがあって、日時計が太陽の輝く時刻を記録するように、毎日の生活の中の良いことや明るい面に目を向けることが大切ということでしたよね。
でも、現実社会には必ずしも良いことばかりじゃなくて、悪口や妬みとか、どうしても人間のマイナスの面に向き合わざるを得ない場面も多くあると思うんです。
どうすれば人や物事の良い面に心を向けることができるんでしょうか?
確かに現象的に見ると、この世界には良いことだけでなく、悪と思えることも起こっているし、会社や学校などでは、苦手だと思ってしまうような人と出会うこともあるよね。
でも、大切なのは「実相」と「現象」をしっかりと分けて考えることなんだよ。神様の創られた本当にある実相世界は、すべてが調和した善一元の完全円満な世界であって、五官によって捉えられる現象世界は、「人間の心の迷いが映し出した影」のようなもので、本当に在るものではないということなんだ。
現象世界は人間の本性である「善」を表現するための仮の舞台だから、現象的な悪に心が囚われてばかりいると、ますます悪なる現象が表現されてしまうことになるから、善いところや明るいことに心を向けることが大切なんだよね。
う〜ん。嫌なことがあったり、まったくそりが合わない人と出会ったりしたら、そんな心境になれるか正直分かりません。
僕たちはこの現象世界のなかに、実相世界にある善を表現するために生まれてきたわけだけれど、どこかで挫折したり、人と対立し合ったりして、正しくその善が発揮されないこともあるよね。
例えば、ピアノを弾いているときに、ふと音を外してしまうこともあるけれど、間違ったならまた弾き直して、メロディーを紡いでいけばいいんだし、ちょっとくらい間違えても、逆にそれがその人の「味」になることもあるでしょう。
だから、何か不都合なことがあっても、「もう駄目だ」とか決して思わないようにした方がいいね。
今、世界各地で紛争やテロが頻発していますが、それについてはどう考えればいいでしょうか?
テレビや新聞でそうしたことを報じるニュースを観ない日はないよね。でも、それだって現象世界の出来事であって、いま世界で起きている戦争とかテロなどの様々な対立も、悪が実在しているという誤った認識から生まれているんだよ。
本当に在るものは、すべてが調和した実相世界だけで、そこには憎しみも対立も一切存在しない。
最初は信じられないかもしれないけれど、目の前に現れている悪い出来事は本当に存在するものではないという自覚を深めることで、本来在る善が現れてくるという真理を学ぶことが、平和な世界を実現するための第一歩なんだよ。だから希望を持って進んで行こう。

(次号に続く)

『生長の家ってどんな教え? 問答有用、生長の家講習会』(生長の家総裁・谷口雅宣著、生長の家刊)著書の生長の家講習会での講和と、参加者との質疑応答の記録を通し、生長の家の教えに関する様々な疑問について、分かりやすく解き明かされています。すでに生長の家の教えを学ばれている方にとっても、多くの新しい気づきや発見があるはずです。

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