人間関係に悩んでいた大学生の彩花さんが、ある日、知り合いの生長の家の講師に、自分の悩みを相談したところ、『日時計24』を送ってもらった。それをきっかけに、2人の間でチャットがはじまった……。生長の家の教えを学んでいる彩花さんですが、なにか疑問に思っていることがあるようです。

最近テレビなどで、宗教に関する話題がよく取り上げられていますよね。その影響もあるのか、私が最近、友人に生長の家で聴いた話をしたら、「それって宗教? 危ないんじゃない?」って言われました。
私も以前そうでしたが、宗教って聞くと、騙されているとか、洗脳されちゃうんじゃないかとか、そんな悪いイメージがあるみたいで……。
日本人は「自分が信じている宗教はない」と答える人が多いって聞きますが、そもそも宗教の目的って何だろうって、疑問に思ったんです。
確かに近年、宗教団体への多額の献金によって家族が経済的に困窮するようになったというような問題がマスコミで取り上げられたから、「宗教」って聞くだけで「怖いもの」という印象を持ってしまう人も多いかもね。
だけど、人間は遥かな昔から、「より良く生きたい」とか「平和な世界であって欲しい」といった願望を持っていて、それを実現させようとするなかで信仰を心の支えにしてきたんだよね。
そうしたことから、宗教の本来の目的は何かというと、人間の心を自由に解き放って、喜びや幸福を与えることにあると思うんだ。
たとえば仏教では、仏様の慈悲の働きとは何かというと、他の生命への「抜苦与楽」、つまり「苦しみを取り去って、楽を与えること」だと言われているよね。
「苦しみを取り去る」ということは、たとえば病気で苦しんでいる人に対して、その病気を治してあげたりするとか、そういうことですか?
もちろん、病気で苦しんでいる人にとっては、病気が治ることが第一の幸せだと言えるけれど、本当は、病気を治すこと自体が宗教の目的ではないんだ。
生長の家では、「神の子である人間は、本来病気になることはない。病気は迷いの心の影であり、本来ない」と説いていると以前話したよね。
宗教の根本的な教えは、自分が既に完全円満な神の子、仏の子であるという自覚を持つことで、そうした心の結果として、本来ない病気などの苦しみからも解放されることになるんだよ。
とても深い話ですね。何か悪いものがあって、それを取り除けば物事が良くなっていくということじゃなくて、悪いもの自体が本来ないということに気づくということ……。
普段生活していると、つい悪いことにばかり心が向きがちだから、そうはなかなか思えないですよね。
宗教の問題が大きく取り沙汰されている今だからこそ、宗教の本来の目的をよく理解することが大切だと思うよ。
さっきも言ったように、宗教とは本来、人間の心を自由に解き放って、喜びを与えるものだから、伸び伸びと明るい心で、神の子としての自覚を深めながら、それを生活に実践するようにしていこう。

(次号に続く)

『生長の家ってどんな教え? 問答有用、生長の家講習会』(生長の家総裁・谷口雅宣著、生長の家刊)著書の生長の家講習会での講和と、参加者との質疑応答の記録を通し、生長の家の教えに関する様々な疑問について、分かりやすく解き明かされています。すでに生長の家の教えを学ばれている方にとっても、多くの新しい気づきや発見があるはずです。

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