2人の息子はそれぞれに家庭を営み、子どもをもって幸せに暮らしており、妻と2人で暮らしています。最近、父が死んだ年が迫ってきて、急に死を意識するようになりました。父は「死んだら何もかもなくなってしまう」というのが口癖で、私にもその言葉がしみついていて、死ぬことがほんとうに恐ろしくなってきたのです。妻は、考えすぎよと笑うのですが、どうにもなりません。(71歳、男性)

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 人間のいのちは永遠生き通し。死は怖いものではありません

 奥様と苦楽を共にし、2人の息子さんを立派に育て上げたあなたは、素晴らしい父であり、良き夫だと思います。

「死ぬのが怖い」と感じるのは、誰もが少なからず抱く自然な思いです。今の幸せな生活を大切に思うからこそ、その幸せを失うことへの不安や、お父さんの言葉が気になってしまう気持ちもよく分かります。

 人は誰しも必ず死を迎えます。だからこそ大切なのは、死をどのように受け止め、どう向き合うかということです。

 生長の家では、「人間のいのちは永遠生き通しである」「肉体は地球という天体で生きるための宇宙服のようなものである。死とはこの宇宙服を脱ぐことであり、生まれ変わって新たな宇宙服をまとい、また新しい人生を歩むのだ」と説いています。つまり、死は次の世界である霊界へのステップであり、決して怖いものではありません。

 私の娘はダウン症で、心臓病を抱えて生まれました。医師から「早いうちに心臓の手術をしないと命に関わる」と宣告され、一時は娘の死を覚悟しました。

 それでも生長の家独得の座禅的瞑想法である神想観に励むうち、「人間の生命は永遠である」との自覚が深まり、死の恐怖が消えていきました。娘は2歳のときに手術を受けて心臓病が完治し、今は26歳になって、元気に作業所へ通っています。

 私たちが生きているのは、神様から托された“命のバトン”を、無数のご先祖様が繋いでくれたお陰です。霊界で永遠の命を生き、子孫の幸せを祈ってくださるご先祖様やご両親のことを思い浮かべてみてください。きっと安心感と喜びが湧き上がり、死への不安も消えていくことでしょう。

 人生100年時代、これからもまだまだ新しい日々が待っています。どうか明るく前向きに毎日をお過ごしください。

回答者:細川悌弘(ほそかわ・やすひろ)
(生長の家地方講師)