中井利枝子(なかい・りえこ)さん│72歳│北海道北見市
取材/細川悌弘

結婚して間もなく生長の家の教えに触れ、母親教室*1などで教えを学んでいたが、離婚を経験した。その後、長年続けた介護職を定年で辞めたのを機に、早朝神想観*2に参加するようになった。
*1 母親のための生長の家の勉強会
*2 生長の家独得の座禅的瞑想法

 ある日、『生命の實相*3を読んで行の大切さを知り、真剣に神想観に取り組むと、神の子の自覚が一層深まったばかりでなく、元夫の幸せを祈れるようになった。
*3 生長の家創始者・谷口雅春著、日本教文社刊。全40巻

早朝神想観に参加しているおかげで、今は何をしても嬉しくて楽しくて生長の家に恋しています!」と笑顔が絶えない中井さん。自宅の庭で(写真/加藤正道)

早朝神想観に参加しているおかげで、今は何をしても嬉しくて楽しくて生長の家に恋しています!」と笑顔が絶えない中井さん。自宅の庭で(写真/加藤正道)

30年連れ添った夫と離婚

 
 中井利枝子さんは、20歳の時に4歳年上の男性と結婚し、翌年に長男、その後、次男を授かった。しばらくして、夫は北見市内で清掃会社を起ち上げ、中井さんも子育ての傍ら、電話番などの業務を手伝うようになった。

 多忙ながらも幸せな日々を送っていた昭和54年、知人に誘われて初めて生長の家の講演会に参加した。会場の明るい雰囲気の中で良い話が聴けたと感じた中井さんは、生長の家の教えに関心を持ち、時間を見つけて近隣の母親教室や誌友会*4に顔を出すようになった。
*4 教えを学ぶつどい

「子どもを神の子と拝み、笑顔で褒めることの大切さや、環境も運命も自分の心がつくるという話を聴いて目が開かれましたし、参加者の皆さんの体験談にも感動しました」

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 ところが、その頃から夫が出張と称して、1週間以上も家を空けることが多くなった。不審に思いながらも、やり手の夫は順調に業績を伸ばし、札幌や東京に支店を出すまでになっていたため、忙しいのだろうとあまり気に留めていなかった。そんな平成13年11月のある朝、突然、体に異変が起きた。

「ゴミを出しに行こうと袋を持った時、体が辛くて動けなくなったんです。夫に頼んで病院に行くと、冠状動脈閉塞症と診断され、緊急手術を受けました。幸い10日ほどで退院することができましたが、夫は相変わらず家に帰らない日が続きました」

 夫に女性がいると知ったのは、手術して2年後のことだった。話し合いの末、離婚を決意した。

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 30年連れ添った夫との別れは辛く、複雑な思いに揺れていた時、白鳩会*5の友人から「自宅で誌友会を開いて人のお世話をし、皆さんと教えを学べばきっといい解決策が得られるから」とアドバイスされた。
*5 生長の家の女性の組織

 その言葉に従い、誌友会を開き始めたある時、講話のテキストとして『女の浄土*6という本を読んだ。
*6 谷口雅春著、日本教文社刊

 「そこには、夫婦がお互いに礼拝し、感謝の言葉を伝えて心を通わせることの大切さが書かれていて胸を打たれました。私は夫に感謝するどころか、不満や愚痴ばかり言い、夫が出張から帰る日に、わざと登山に出かけたりしていたからです。そんな態度では、夫が寂しくなって他の女性に走ったのも無理はないと思い、夫に懺悔したんです」

 『生命の實相』を読んで心境が変化

 
 誌友会で教えを学ぶにつれて、元夫へのわだかまりが徐々に消えていき、生きる意欲も湧いてきた。55歳のときに介護士の資格を取得し、特別養護老人ホームで働くようになった。

 「慣れない仕事で、最初は疲れてばかりいたのですが、誌友会でコトバの力*7を学んでいたので、前向きな言葉を使って自分を励ましながら、入居者の方にも明るい言葉をかけて喜んでもらえるように努めました。そのおかげで入居者の方とも心が通い合い、介護の仕事が天職だと思えるようになったんです」
*7 コトバには善きにつけ悪しきにつけ、物事を成就する力があると生長の家では教えている。ここでいうコトバとは、口から発する言葉のほかに、思念や表情も入る

 こうして介護の仕事を16年続け、2024年3月、特別養護老人ホームを定年退職。本当はまだ働きたい気持ちを抱えていた頃、北見教区の白鳩会連合会長から早朝神想観への参加を勧められた。

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「喜んで参加したんですが、いつも基本的神想観だけを行っていた私には、蓮華日宝王地観や如意宝珠観など、あまり馴染みのない神想観の実修もあって、それを覚えようとするあまり、祈りに身が入らないようになってしまったんです」

 何とか参加していたものの半年経っても変わらず、もう辞めたいと思い始めていた2025年1月、誌友会で、『生命の實相』(第1巻)を読んだ時、心境の変化が起きた。

「『人間は完全円満な神の子』『人間のいのちは永遠生き通し』といった言葉を目にして、神想観はこうした真理を魂の底から実感するための大切な行だったのだと気づき、真剣に励むようになったんです」

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毎日がワクワクと楽しく

 
 それを機に『詳説 神想観*8を開くと、「神想観は日々の精神的糧」といった文章が胸に深く響き、早朝神想観に参加して祈ることが次第に楽しくなっていった。蓮華日宝王地観や如意宝珠観などの神想観についても、積極的に習得に励むようになった。
*8 谷口雅春著、日本教文社刊

「神想観を続けているうちに、『私はこのままで完全円満な神の子』という自覚が深まり、気がつくと毎日、今日も頑張ろうという思いが出てきてワクワクし楽しくなりました。今は、2人の子どもや孫はもちろん、元夫と再婚したその家族の幸せも祈れるようになって、本当に幸せな日々を送っています」

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 何よりも嬉しいのは、元夫が創業した清掃会社を次男が継いでくれ、業績を伸ばしていることだという。中井さんは、「わが家のご先祖様はもちろん、元夫やその奥様のご先祖様も応援してくれているおかげだと思います」と微笑む。

「生長の家に入信して40年以上が経ちますが、今ほど教えの素晴らしさを実感している時はありません。いつも私を導いてくれる白鳩会や信徒の皆さんには、本当に感謝しています。その恩返しのためにも、もっと多くの人のお役に立てるよう頑張りたいと思っています」

 穏やかな笑みを浮かべながら、ありのままの胸の内を語ってくれた。