人間は独創的な存在

 
 独創とは「他人の真似(まね)をせず、自分一人の考えで物をつくり出すこと」(『大辞林』三省堂刊)と辞書にあります。時に私たちは、映画や音楽、小説、コミックなど独創的な作品に触れて惹かれることがありますね。私たちはなぜ、独創を好むのでしょうか? 私はその答えのヒントが、人間や動物、植物、鉱物など、自然界に存在するものが、すべて独創的であることにあると思います。あなた自身も独創的な存在なのです。

 人は何回も生まれ変わって地上で生活し、魂(たましい)を向上させると、生長の家では説いています。過去世(かこせ)での訓練の結果が今世(こんせ)での能力につながり、才能という形で花開く。才能は、そのことをやっていると時間を忘れて夢中になれるとか、周りから評価されることによって気づくことができます。誰もが必ず何かの才能をもっているのです。

 今号の特集ルポに登場しているT.A.さんは、幼いころから絵を描くことが好きで、「いつも納得するまでずっと繰り返し描いていた」と母親は語っています。私はそのエピソードに才能の兆(きざ)しを感じます。実は私も幼いころから絵を描くのが好きで、今も趣味で絵を描き続けています。

『日時計24』特集_163_メイン画像

「窓」(水彩、F6号)/小関隆史・画

 T.A.さんのルポで共感したのは、「日常生活のなかにある自然の風景を眺めていると、絵のアイデアが浮かんでくることもある」こと。私は、毎日30分ほど近所を歩き、木々や草花を眺め、小鳥のさえずりを聞き、自然の変化を楽しんでいます。今春、散歩の途中で切り株を見て、「この穴の中にリスが住んでいたら……」とイメージが浮かび、「窓」という水彩画を描きました。

 なぜ、自然の中を歩いている時に絵のアイデアが浮かぶかというと、右脳が活性化するからです。人間の右脳は直感や感覚を、左脳は言葉や論理をそれぞれ担当しています。しかし、現代人はともすれば左脳に偏りがちで、頭で考えて行き詰まることがあります。その点、自然にふれていると、無心になって右脳がフル回転しますから、五感(目、耳、鼻、口、皮膚)を通してたくさんの情報が入ってきて、アイデアが浮かびやすいのです。

練習で独創力を引き出す

 
 私の場合は、これまでデッサンをたくさん描いてきましたので、イメージを絵にするのはそう難しくはありません。しかし私は音楽への興味が芽生え、約10年前からアコースティックギターを練習し始めましたが、まだ未熟で、弦を押さえる指が思うように動かせず、もどかしく感じることもあります。その分野に興味や才能があったとしても、練習を重ねなければ上達しないのです。

 でも、少しずつ上達していく時に喜びが湧いてくるので、そこに楽しさがあります。私の場合は、自分で作詞、作曲した曲をギターの弾き語りで披露する時に、なんとも言えない喜びを感じます。

 ぜひ、皆さんも自分の好きなことを見つけて、チャレンジしてみてください。人は誰もが唯一無二(ゆいいつむに)の存在ですから、練習して素直に思いを表現すれば、それが独創性の表現につながると信じて、希望を持って歩んでいきましょう。

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小関隆史(こせき・たかし)
生長の家本部講師
休日にギターと声楽の教室に通い、たまにライブに行っては刺激を受ける。日々接する八ヶ岳南麓の豊かな自然が創作の源泉。