4月は就職や進学、職場の人事異動や学校のクラス替えなどがあり、新しい環境、新たな人間関係の中で、新生活を迎えた方が多いのではないかと思います。

 このような時期には、これまで経験したことのないことにチャレンジする機会も多く、期待や希望に心が躍るものです。その一方、新しい環境のなかで周囲の人と比較して自信を失ってしまったり、思いがけない失敗をして、悩みを抱えたりする人もいるかもしれません。

 しかし、総じて言えることは、環境の変化は自分の新しい一面に気づくチャンスでもある、ということです。そのためには、自分自身の本当の価値を自覚することが大切です。

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人間は神の子

 
 生長の家では「人間は皆神の子である」として、私たち人間は、完璧な智慧と愛、そして無限の生命を持った、唯一絶対の神が創造された神の子だと説いています。そして、すべての人は本来完全で素晴らしい存在であり、この人生は、自己に内在している神の一切の良きもの(真・善・美)を表現する舞台であると考えます。

 ともすると私たちは、他者より優れているから自分は素晴らしいと思ったり、誰かの役に立てているから自分には価値があると考えたりしがちです。

 しかし、このような考えでは、自分が他者より優れている点が見出せなくなったり、誰かの役に立っているという実感が持てなくなってしまったりして、自分が価値ある存在であると思うことは極めて難しくなってしまいます。

 大切なのは、現在の状況がいかに不完全に見えても、自分の本来の素晴らしさは変わらないと信じることであり、それができれば必要以上に落ち込むことはなくなります。「人間・神の子」の自覚を持ち、心を明るい方に向けることによって、私たちは環境の変化の中でも、自分に自信を持ち、物事に積極的に取り組むことができるようになるのです。

自分の価値を自覚するために

 
 生長の家では、自分の本当の価値を自覚するための方法として、生長の家の書籍を読んだり、生長の家独得の座禅的瞑想法である神想観を実修したりして、自己に内在する無限の可能性をしっかりと確認することを推奨しています。

 また、物事の光明面に着目し、心を前向きにするために、その日あった嬉しかったことや感謝すべきことなどを書き記す『日時計日記』(生長の家白鳩会総裁・谷口純子監修、生長の家刊)をつけるのも良いでしょう。そして、これらに加えて私自身がお勧めしたいことは、「朝、今までよりも30分だけ早く起きること」です。

 先にお勧めした方法も、1回や2回の実践では、あまり変化はありません。肝心なことはそれを継続し、習慣とすることです。そのためには、具体的に時間を捻出する必要がありますが、その最適な時間帯の一つが朝の時間だと私は考えています。

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 私自身、学生時代などには夜型の不規則な生活を送っていました。しかし、生長の家の信仰に触れ、朝に神想観を実修するようになり、自己に内在する神に心を振り向けることを習慣とすることができたおかげで、自分の価値を信じ、その時々で自分に与えられた役割を全うする努力することができるようになりました。

 環境が変化するときは、新しい習慣を身に付けやすい時期でもあります。自分の可能性を信じ、新しい一歩を踏み出すために、生長の家の信仰に基づくこのような習慣を身に付けてみてはいかがでしょうか。

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金内崇幸(かなうち・たかゆき)
生長の家本部講師
生長の家国際本部勤務。生長の家本部講師。趣味は読書とサイクリング。