心を明るくすることで、より良い人生が展開していきます


▪️人生の主人公は自分自身

 生長の家では、肉体が私たちの本質ではなく、肉体を動かしているところの生命そのものが私たちの本質であると説き、「人間は神の子である」と教えています。「神の子」である私たちの人生は運命に左右されることなく、自分の心の持ち方一つでどのようにでもつくり出すことができるのです。

 谷口雅宣・生長の家総裁は、『日々の祈り──神・自然・人間の大調和を祈る』(生長の家刊)の「観を転換して人生に光明を見る祈り」の中で、次のように説かれています。

「私の肉体・環境・運命は、私が心でつくるものです。それは牢獄の“檻”のように、私の外部に厳然としてある堅固な障害物ではありません。私は『運命』とか『宿命』などという、私以外の何者かの力によって私の望まない方向へ押し流されたり、私の望まない行動を強いられることはありません。それは、私の心の“反映”にすぎません」(147ページ)

 ここにもありますように、私たちの運命は決して変えられないものではなく、人生とは私たちの心の反映であるということが言えるのです。つまり、心を明るい方に向けていくことで、その通りの素晴らしい人生が展開していくのです。

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 私はかつて借金問題で悩んだことがあります。友人に騙されて借金を背負い、二進も三進もいかなくなってしまったのです。心は暗く、塞ぎ込んでしまうようになり、人間不信にも陥りました。しかし、両親の勧めで生長の家の練成会(*)を受講し、「人間は神の子」であり、「自分は人生の主人公として、心で運命を好転することができる」と教えていただき、心を明るく保つようにしたことで、すべてが良い方向へと向かうようになりました。今ではすっかり借金問題も解決し、幸福な日々を送っています。

 そうした自分の経験からも、私たちはみな「神の子」であって、運命に支配されるような存在ではなく、逆に運命を支配する人生の主人公として、心で素晴らしい人生を創造することができる存在なのだと実感しております。

 若いあなたの人生は、まだまだこれからです。いつも明るく朗らかな心で、人生を前向きで、楽しいものにしてください。

▪️物事の明るい面を見よう

 最後に、私から心を明るく保つためのとっておきのアイテムを紹介します。それは『日時計日記』(生長の家白鳩会総裁・谷口純子監修、生長の家刊)です。この日記帳は「人生の光明面を思い、語り、記憶する」という、生長の家が推奨する「日時計主義の生活」を実践するもので、この良いこと日記を私は毎日書いています。

 毎日、一つでも結構ですので、その日にあった良いことを『日時計日記』に書き続けてみて下さい。次第に心が明るい方向へクラリと振り向くようになり、きっと毎日の生活が明るく、喜びに満ちたものとなることでしょう。皆さんの人生が幸多きことをお祈り申し上げます。

* 合宿して教えを学び、実践するつどい

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山口 哲弘
生長の家本部講師
生長の家十勝教区教化部長。山口県出身。週1で通っている北海道遺産の「モール温泉」が楽しみ。大自然の恵みに感謝する日々を送る。

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特集ルポ|感謝の心が運命を好転させる

学生の頃は、何かうまくいかないことがあると、周囲の人や環境のせいにしがちだった。
自分を見つめ直し、物事の明るい面に心を振り向けて、周りの人に感謝するうちに、運命が好転しはじめた。

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重田昌宏(しげた・まさひろ)さん
神奈川県相模原市・団体職員・34歳
取材●長谷部匡彦(本誌) 撮影●遠藤昭彦

「叶えたい夢や目標などがあっても、それを実現するための努力を怠ってしまうことは、誰にでもありますよね。そんなときも、物事がうまくいかない原因を周りの人や環境のせいにしないこと。明るく、前向きな人生を送るための一つの鍵は、そこにあると思います」

 生長の家神奈川県教化部(*1)に勤める重田昌宏さんは、経理事務や販売書籍の管理、行事の準備などを担当している。昨年から、業務に必要な簿記の資格取得のため勉強を始めたが、あまり捗らなかった。何かと理由をつけて勉強が滞っていたことを反省し、隙間時間を上手く使おうと考えて、ネット上にある簿記の解説を利用して学習に取り組むようになった。

「ネットのおかげで、学校に通わなくても出勤前や就寝前など、時間に縛られずに勉強ができ、誰でも学びやすくなっています。できない理由をあげるのではなく、できるところから取り組むことが大切だと思います」

 今年に入り、約1カ月間の勉強で日商簿記3級を取得。現在は簿記2級の合格を目指して勉強を続けている。

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感謝の心が大切

 重田さんは、生長の家の信徒である父親に連れられ、小学5年生の頃から小学生練成会(*2)に参加し、「人間は素晴らしい神の子で、無限の力がある」と学んだ。そのお陰で何事にも明るく前向きに取り組めるようになり、私立の中高一貫校を経て都内の大学へ進学し、順風満帆な学生生活を送った。

 大学4年生の時にはバイクに憧れて、普通自動二輪の免許を取得するため教習所に通いはじめた。だが、マニュアル式バイクの運転を指導してくれた教官の言葉が怒鳴っているように感じられ、教習所から足が遠のいた。

「教習期間の残りが2カ月を切ってしまい、このままではいけないと考えて、生長の家の『大調和の神示』(*3)にある『天地万物に感謝せよ』の教えを実践することにしたんです。感謝の言葉を常に心の中で唱えていると、運転操作への苦手意識が消え、教官の助言を素直に聞けるようになりました。無事に免許を取得した後、教官から『途中から突然雰囲気が良くなったよね』と言われたんです。感謝の心を持つことで、物事が上手くいくようになるのだと実感しました」

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妻と横浜市港北区にある実家を訪れたときの1コマ


問題を避けていてもいつかは壁にあたる

 2008年に起きたリーマンショック(*4)による世界的な金融市場の混乱が続くなか、2010年に大学を卒業した重田さんは、就職難を避けて神奈川県内にある大学院へ進学し、マネジメント(*5)を学びはじめた。

「もともと経済の仕組みに興味があり、マネジメントについて学ぶことにしました。1年目は主にマネジメントと税法についての基礎を学び、管理経営マネジメント専門のゼミで、CSR(*6)(企業の社会的責任)を研究課題にしたのですが、1年生の終わりにゼミの教授が他の大学に引き抜かれてしまい、所属していたゼミがなくなってしまったんです」

 ゼミを変更する必要に迫られ、唯一空きがあったM&A(*7)について学ぶゼミに転籍をした。

「2年生になって、CSRの修士論文を書き続けていたのですが、相談しようにも新しいゼミの教授は畑違いだったんです。相談しても教授は机に向かったままで顔さえも向けてもらえず、こちらから背中越しに話しかけるだけという、一方通行の状態が続きました。それが本当に辛くて、徐々に研究室に顔を出さなくなってしまったんです」

 修士論文の道筋がつかないまま就職活動を始めたが、なかなか内定を得ることが出来ず、ストレスが溜まっていった。ようやく石油関連会社から内定を得たものの、なんとか一人で書き上げた修士論文が不合格となり、留年することになってしまった。

「留年になったのはショックでしたが、40社近く応募して不採用だったなかで、自分を認めてくれた会社があったことが本当に嬉しくて、感謝の気持ちが湧いてきたんです。それがきっかけで自分を見つめ直し、そりが合わなかったゼミの教授とも、積極的に会話を交わそうと決めました。目の前の問題を避けていても、いつかは壁に当たってしまうので、逃げずに向き合おうと考えたんです」

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両親と。「両親は、どんなときでも温かく見守ってくれていました」


人はどんな状況でも素晴らしい神の子

 
 就職活動は行わず修士論文の執筆に集中することにし、特に用事がないときでも毎日ゼミに足を運ぶようにした。論文について教授に質問を重ねていくうち、CSRに関する文献も次第に紹介してもらえるようになった。

「以前は、苦手意識を持っていたことが相手にも伝わっていたんだと思います。自分の気持ちが前向きになったことで、教授にも変化が現れて談笑できるまでになりました。お陰で修士論文を書き上げることができ、無事卒業もできました」

 このときの経験を通して、生長の家で説く「環境は心の影」であり、「自分の心が変われば世界がかわる」という教えを改めて実感した。

 大学院を修了後は、アルバイトを経て2013年11月から塾の講師として働き始めた。塾では小4と小5のほか、中学生たちを担当し、複数の塾が集まって開催される「全国模擬授業大会」では、1年目にもかかわらず本選の出場者として選ばれた。

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「他にも経験豊富な講師がいるなかで、私が会社内の代表に選ばれたことに驚きました。教えることがとても楽しくて、明るい雰囲気でテンポ良く授業を行っていたのが評価されたのかもしれません。子どもたちの役に立ててありがたいなという思いが根本にあり、感謝しながら働いていたことも大きかったと思います」

 学習塾で日々子どもたちと向き合うなかで、様々な経験を積み、2017年3月に、縁あって生長の家神奈川県教化部に就職した。塾の仕事は充実していたが、大学院で学んだことを活かし、働きながら生長の家の教えを深く学べることに惹かれて転職を決めた。

 生長の家の地方講師(*8)でもある重田さんは、誌友会(*9)などでもよく話をする自身の信念について、力強くこう語る。

「負の感情を抱いていると、周りの人は接しづらくなってしまうものです。逆に明るい感情を抱いていれば雰囲気が良くなり、周りの人も接しやすくなりますよね。心が向く方向によって、周りに現れる人や環境が変わるので、常に感謝の思いを持つことが運命を好転させることに繋がっていきます。どんなに辛い状況に置かれていても、『人間は素晴らしい神の子である』ことに変わりはないので、明るい方向に心を振り向ければ、必ず明るい世界を現し出せると思います」

*1 生長の家の布教・伝道の拠点
*2 合宿して教えを学び、実践するつどい
*3 生長の家創始者・谷口雅春先生に下された言葉
*4 アメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズの破綻によって起こった世界的な株安、金融不安、同時不況のこと
*5 資源や資産・リスクなどを管理し、経営上の効果を最適化しようとする経営学の一つ
*6 Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)の略語
*7 Mergers and Acquisitions(企業の合併・買収)の略語
*8 教えを居住地で伝えるボランティアの講師
*9 教えを学ぶつどい