「人間の心」が明るくなれば、
その周囲に「明るい出来事」が次々に出て来るようになる。
「心」はそれと似た「物」や「事件」を引きよせるからである。
こうして人はその心に似合った運命の持ち主となる。
「暗い心」をもてば「暗い運命」となり、
明るく深切な心をもてば、明るくたのしい人生があなたのものとなる。
(谷口清超著『智慧と愛のメッセージ』98ページ、日本教文社刊)

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明るい感謝の心で、幸福な人生を築きましょう

 

環境は心の影

 
 人はこの世に生まれ、それぞれの人生を歩んでいますが、その人生は一人ひとりが日々、肉体で表現し(身・しん)」、言葉で発し(口・く)、心で思う(意・い)、身・口・意の3つの「コトバ」が積み重なって自らが築いたものだと、生長の家では説いています。

 自分の環境や運命が、なぜ「コトバの力」によって築かれていくかといえば、心とはコトバであり、「環境は心の影、心の思いによってつくられる」という「心の法則」があるからです。つまり、明るい想念や感謝の言葉、深切な行いなどを積み重ねていけば、それが善い習慣となり、善業となって善果をもたらし、幸福な人生を歩むことができるのです。

 谷口純子・生長の家白鳩会*1総裁は『夢の地平線』(生長の家刊)の中で、「私たちが幸せで愉快な日常を過ごしたいならば、自分の心を大切に扱い粗末にしてはいけない」(50ページ)と説かれています。
*1 生長の家の女性の組織

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明るい出来事を心に刻む

 
 そのためにも、心を「善一元(ぜんいちげん)の神」の方に振り向け、神との一体感を深める神想観*2を実修し、日々の嬉しかったこと、感動したこと、感謝の思いなどを心に刻み、それを習慣にする「日時計主義の生活」を心掛けることが大切です。
*2 生長の家独得の座禅的瞑想法

 この特集に登場するW.Y.さんは、健康診断の結果に不安を覚えましたが、周囲の方々に勇気づけられ、神想観を行じ、良かったことや嬉しかったことを『日時計日記』(生長の家白鳩会総裁・谷口純子監修、生長の家刊)に書くことで、心が穏やかに整い、闇は消えて明るい心へと転換することができました。幸福な人生は、明るい感謝の心によって築かれていくのです。
(H.S・生長の家本部講師)


 

手記|
明るい方を見る練習が、
病気を乗り越える力になる

 

W.Y.(56歳) 山梨県甲府市

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 結婚後の20代後半頃、私は生活環境の変化のため、体調不良などさまざまな問題に直面し、行き詰まっていました。その様子を見ていた母が、生長の家富士河口湖練成道場*1の練成会*2への参加を勧めてくれました。
*1 山梨県南都留郡富士河口湖町にある生長の家の施設
*2 合宿形式で教えを学び、実践するつどい

 会場では、皆さんが笑顔で「ありがとうございます」と挨拶し合っていたり、皆が一緒になって声を上げて笑う「笑いの練習*3」をしたりと、びっくりすることの連続でした。それでも、笑顔を作っているうちに後から気持ちがついて来て、心がほぐれ、気持ちも明るくなっていったのです。
*3 笑うことによって心を明るくし、心身を健康にするために行う練習

 すると、不思議と見える世界が変わり、感謝することが増えて心が軽やかになりました。そして、母親教室*4に行くことが楽しみになりました。ところが、いざ悩みが解決すると、次第に教えから心が遠のいてしまっていたのです。
*4 母親のための生長の家の勉強会

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 51歳になった令和元年秋のことでした。勤務先の健康診断で、「肝臓に影がありますので、この後すぐにCT検査の予約を入れてください」と言われました。

 もともと私の肝臓には2、3センチの血管腫があり、これはアザのようなもので、特に心配ないと聞いていたのですが、それが直径8センチになっている、とのことでした。

 言われた通り、すぐにCT検査を受けると、医師から「たぶん血管腫だと思うんだけど、ちょっとこれは普通じゃないね。変異の可能性もある」と言われ、急に不安になってきました。

 その上、この検査で腎臓にも影が見つかり、再度CT検査を受けると、「まだ数ミリと小さいので何とも言えませんが、 造影剤の入り方が悪性の場合と同じなので、悪性腫瘍の可能性が高いでしょう」と告げられました。“悪性”という言葉に気が遠くなり、意識が戻った時は病院のベッドの上でした。

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 それからというもの、体の至る所に痛みや違和感が出始め、検査して異常がなくても、また別の部位が気になり、受診を繰り返すようになりました。インターネットで検索してみると、おそろしい病名がたくさん出てきて、さらに不安に駆られました。夜は眠れなくなり、朝になると動悸がして、食が進まず、体重があっという間に38キロまで落ちてしまいました。

 常に最悪な事ばかりを考え、私の心の中は完全に不安と恐怖で支配されている状態でした。「明るく生きたい」という思いはあっても、どうしたらよいのか分からず、不安や恐怖を持ちながら、なんとか解決できる糸口はないかと探していました。

 そんな時、山梨県で生長の家の講習会があり、私は受付係として参加しました。この時、普段は誘っても無関心だった大学生の長男も参加してくれて、真剣な様子で耳を傾けていました。それが私の転機となったのです。

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不安のない世界へ

 
 講習会で生長の家富士河口湖練成道場の案内を見た長男は、「練成会に参加してみたい」と言いました。すぐに申し込みをし、一人で2回続けて練成会に参加しました。

 長男の送り迎えをしている時、道場職員に自分の体調が不安なことを打ち明けました。すると「そう、不安なのね」と言いながらも、どこかピンと来ていない様子なのです。「この方ってもしかして、不安が何もない世界に生きているのでは……」と思うほど、その方の明るい笑顔がとても輝いて見えました。「彼女のようになりたい。生長の家を学び続けていれば、不安のない世界で生きることができるかもしれない」と、心に一筋の光が差したように感じたのです。

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 その後、富士河口湖練成道場での早朝行事のライブ配信に参加し、神想観*5を行じることが習慣となりました。目を閉じていると、逆に不安が次々と湧き上がってくることもありました。それでも講話の配信を視聴しているうち、「神想観は自分の我(が)の祈りではなくて、ただ善一元(ぜんいちげん)である神様と一体であることを感じる行(ぎょう)なのだ」と分かってきました。雑念が湧いても湧かなくても、常に神様とともにあることを心に描き、毎日神想観を続けていると、ある時、自分が温かい光に包まれるのを感じて、とても安心しました。
*5 生長の家独得の座禅的瞑想法

 そうかと思えば、恐怖心が大きくなる日もありました。そんな私に講師の方は、日々の喜びや感動したことを綴る『日時計日記』(生長の家白鳩会総裁・谷口純子監修、生長の家刊)を勧めてくれました。

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心は後からついてくる

 
 最初は良かったことが何も思い浮かばなかったので、「健康で、明るくて、元気で、もうどこにも悪い所はありません」という希望だけを、とにかく毎日書いていました。すると、少しだけ心が明るくなり、良かったことや嬉しかったことが、ひとつ、またひとつと浮かんでくるようになりました。

 生長の家に初めて触れたときもそうでしたが、最初は心が伴わなくても、気持ちは後からついてくることを実感し、やっと暗いトンネルを抜けつつあるという心境になれました。

 そうして健康診断から1年が経ちましたが、腫瘍の大きさは変わっていませんでした。にもかかわらず、その結果には不安が募るばかりでしたので、思い切って病院を変えることにしたのです。すると、その病院の検査で、「心配ないですよ。肝臓も腎臓も良性腫瘍です」と専門医師からはっきりと診断説明をしていただきました。

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 大変嬉しかったのですが、すぐには不安を払拭できなかったせいか、体の痛みはなかなか消えませんでした。でも、ある日、いつものように『日時計日記』に「健康です」と書いていると、「本当にその通りになっている!」という思いが、心の底から響きました。

 それからは『日時計日記』を開くと、自然と良いことばかりが浮かんでくるようになり、気づいたら感動や感謝の言葉でページがいっぱいになっていました。私は光で満たされている世界に既にいながら、自分自身で固く目を閉じてしまっていて、暗闇にいると思い込んでいただけだったと気づき、ほどけるように明るい心へと転換していきました。すると、それまでの痛みが嘘のように消えて、不安な思いも和らいでいったのです。

 ふたたび信仰に振り向き、すっかり元気になった今、白鳩会*6の支部長を拝命し、毎月ネットフォーラム*7を開催させていただいています。ご参加の方が喜んで下さることが、私にとって大きな喜びです。生長の家の教えは、私にはなくてはならない存在となっています。神さまの御心のままに、明るく喜びに満ちた心で過ごせることに、心から感謝しています。
*6 生長の家の女性の組織
*7 オンラインで行われる生長の家の勉強会

ウクライナの伝統的な刺繍を通して、ウクライナの人々に想いを寄せ、一刻も早い平和を祈っているW.Y.さん

ウクライナの伝統的な刺繍を通して、ウクライナの人々に想いを寄せ、一刻も早い平和を祈っているW.Y.さん(撮影/遠藤昭彦)